納骨堂と永代供養はどう違う?特徴・費用相場を紹介
納骨堂のTVCMや広告チラシなどで「永代供養付き」という文言を見たり聞いたりしたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、その意味や両者の違い・関係を理解している人は複数の納骨堂を比較している人がほとんどです。今回は納骨堂を探し始めた初心者向けに、納骨堂と永代供養は何が違うのかを特徴と費用相場も合わせて解説します。
永代供養の特徴
「永代」は長い年月という意味です。つまり永代供養とは長い年月にわたり供養するという意味で、お墓や納骨堂の管理の仕方を指します。どのくらいの期間供養をするのかは各施設によって違いますが、一般的には33回忌や50回忌など一定の期間を設けたのち、更新手続きがなければ合祀という流れです。そのほかにも、個別スペースを設けず最初から合祀されるタイプもあります。
■供養や管理は施設にお任せ
永代供養の最大の特徴は長い年月にわたり、供養と管理を任せられるという点でしょう。一般的な承継墓は敷地内の雑草抜きや墓石の掃除など、自分たちで管理しなければならないこともあります。回忌法要できちんとお経をあげてほしい場合は、その都度お布施を用意しなければいけません。定期的に管理費などを支払わずに済むので、供養と管理をお任せしたい人は永代供養付きの納骨堂を検討してみるとよいでしょう。その際は利用できる期間も確認しておいてください。
納骨堂の特徴
納骨堂は近年増えてきたお墓の種類です。家にお墓がなかったり、墓石を立てる土地が少なくなったりすることから増加しています。タイプはさまざまで、位牌型やロッカー型、自動搬送型(マンション型)、仏壇型などがあります。
ほとんどが屋内施設で、天候に左右されることなく参拝できるのも特徴です。利用できる個別スペースが狭かったり自由にお供え物ができなかったりするデメリットもありますが、承継墓よりも費用が抑えられて管理が不要という理由から注目を集めています。運営しているのは主に寺院などの宗教団体や自治体、民間団体です。
■規模は小さいもののお墓として利用できる
寺や霊園にある立派な御影石のお墓ではなくとも、お墓としての機能はあります。タイプによっては遺骨とともに位牌も置ける場合があるので、仏壇として扱うことも可能です。承継墓がなく家の中に仏壇を置ける場所もない人にとっては、納骨堂の利用がピッタリなのではないでしょうか。
永代供養と納骨堂の費用相場
納骨堂と永代供養の特徴がわかったので、それぞれの費用相場を比べてみましょう。
■永代供養合祀型
始めから合祀される永代供養合祀型の相場は10万円から30万円です。個別スペースを設ける必要がないことから費用も安く抑えられます。他人の遺骨と一緒に埋葬されることに抵抗がなく、費用を抑えたい人に向いています。
■個人墓+永代供養
契約期間中は個人墓で供養ができます。契約の更新がなければ合祀されるケースがほとんどです。費用相場は70万円から150万円ほど。合祀型と比べれば値段が張りますが、承継墓と比べれば費用が抑えられます。
■位牌型
「棚型」とも呼ばれ、位牌を所定の棚にずらりと並べる納骨堂です。位牌が置かれている棚のすぐ下に遺骨を収めるスペースがある場合と、別の場所に遺骨を保管する場合にわかれます。個別利用できるスペースが狭いので、費用相場も10万円から20万円と比較的安いです。別途年間管理料が発生する場合もあります。
■ロッカー型
鍵のかかるロッカーの1つを丸ごと利用できます。費用相場合20万円から50万円ほどです。空き状況によっては上のロッカーを利用できず下になってしまうこともあるので、下段に故人の遺骨を収めることに抵抗があれば向いていないでしょう。
■仏壇型
仏壇型は上部が仏壇となっており、下部に遺骨を収めます。費用相場は50万円から150万円ほどですが、仏壇に使用する木などの素材によっては高額になる可能性もあります。個別に利用できるスペースが広く、上下に他人の遺骨が納められていないので圧迫感もありません。
■自動搬送型
マンション型とも呼ばれる最新の納骨堂です。費用相場は100万円前後。収められた遺骨をコンピューターが管理し、参拝時にIDカードなどをかざせば自動で遺骨を祭壇まで運んでくれます。多くの遺骨が収蔵でき、都心を中心に増加傾向にあるタイプです。納骨堂で故人が収められている場所を探す手間も省ける上、必要な時にだけ取り出して参拝できる手軽さから人気があります。
まとめ
永代供養とはお墓の契約形態であり、納骨堂はお墓の種類であること、それぞれの特徴とタイプ、費用相場を解説しました。個別スペースの有無や広さによっても料金が変わるので、どのように供養したいか考えると絞り込みやすくなります。また、それぞれに向いているのはどのような人なのかも記載しているので、どのタイプ・形態が適しているのか判断するための参考にしてみてください。