お葬式から納骨までの流れとは?しておくべき事前準備とは
大切な家族や親族が亡くなってしまった際には、お葬式や火葬、納骨を行って故人を弔うのが日本の風習です。しかし、喪主にとっては気持ちの整理がつかず、慣れないことも多いため、慌ただしく大変なことかと思われます。そこで、今回はお葬式から納骨までの実際の流れや、あらかじめ把握しておくべき事前準備について解説していきます。
納骨は四十九日法要と同時に行う
納骨は、「四十九日法要」と同時に行うことが一般的といわれています。「四十九日法要」とは、命日から49日目に行う重要な儀式のことです。故人の魂は四十九日まで現世を彷徨っており、四十九日目になると浄土へと辿り着き、仏になるといわれています。
そのため、仏になる節目である四十九日に法要を行い、魂を供養するというわけです。しかし、地域の風習や各家庭の都合によっては、四十九日目以外のタイミングに納骨を行うこともあります。そこで、以降では一般的な事例である四十九日に納骨を行うことを想定し、お葬式から納骨までの実際の流れについて1つ1つ解説していきます。
臨終からお葬式までの流れ
まずは、臨終からお葬式までの具体的な内容について見ていきましょう。
臨終後は「納棺」「お通夜」「お葬式」「火葬」といったように大事な儀式を数日にかけて行っていきます。一般的に臨終からお葬式までの期間は、短くて3日、長い場合には1週間程度です。火葬場の状況や遺族の希望などを考慮した上で、火葬とお葬式を執り行う日を決め、お葬式の前日にはお通夜を行います。
また、お通夜を行うまでに納棺を完了させておくこととなります。火葬時間から差し引いて儀式の日時が決められていき、日時の決定や当日に必要な物の準備については、プロの葬儀社に任せることが可能です。そのため、遺族は故人に別れを告げた後には、会葬者に感謝の意をあらわすことに専念するのが望ましいでしょう。
■お葬式の後には初七日がある
お葬式を終えると、7日後に「初七日」を迎えます。しかし、近年では初七日法要を省略する向きが多いといえるでしょう。その理由としては、葬式を終えて一度解散した親族を、別の日に再び集めるというのが大変だからです。そのため、火葬後に初七日法要まで終えておくのが一般化されています。
お葬式が済み、初七日を終えたら納骨の準備
お葬式が済み、初七日を終えたらいよいよ納骨の準備を進めていきます。四十九日に行う場合、四十九日法要と納骨法要を行い、納骨後に会食を設けることになります。
流れとしては、まず寺院に連絡して日程の相談を行うようにしましょう。日取りについては必ずしも、亡くなってから49日目であるとは限らないため、前倒しの土日など親族が集まりやすい日にちを設定するようにしてください。
法要の場所については、自宅やお寺、法要会館など、後で納骨を行うことを考慮して、お墓からそう遠くない場所に選定するのがおすすめです。日程が決まり次第、親族に四十九日法要を行うことを伝え、出欠を取っていきます。参加人数が決まったら、会食、引き物の数と内容を最終的に決定します。
納骨に必要なものを準備する
納骨の日が近づいてきたら、当日に必要な物を準備していきます。納骨の際に必要な物は、お墓参りの際の持参品と同じもので大丈夫です。マッチ、線香、ろうそく、供花、供物のほか、掃除用品を揃えておくのが理想的でしょう。ただし、お墓の掃除については、なるべく納骨の前日までに行っておくことをおすすめします。
また、一般的なお墓ではなく納骨堂であれば、掃除をする必要がなく、建物内でろうそくや線香を上げることも禁止されていることがあるため、これらのものを準備しておく必要はありません。そのため、納骨堂の場合には骨壺と供花を用意するだけで準備が済みます。
なお、服装についてはお葬式で着用したものを着ていくようにしましょう。お葬式の際に羽織袴や紋付の和装をした場合には、格式を下げ、一般的な喪服で参加しても問題ありません。
納骨当日の流れ
納骨当日については、午前中に四十九法要を執り行い、お墓に立ち寄って納骨法要を済ませた後、昼食として会食を設けるのが一般的な流れとなります。午後に法要を行う場合には、日が暮れて納骨が困難になる可能性があるため、お墓に立ち寄る時間が遅くならないように気をつけましょう。
法要後には、僧侶へお布施を渡します。四十九日法要と納骨を同時に行うという場合には、お布施の金額は5万~10万円程度が相場とされています。また、寺院から法要する場所が遠い場合には交通費、僧侶が会食に参加しない場合にはお膳料を、それぞれ5,000円程度別に包んで渡すようにしましょう。
ここでは、お葬式から納骨までの実際の流れや、各法要の際のポイントについて解説しました。家族や親族など大切な人が亡くなってしまった際には、葬式や納骨について考える他にも、相続関係の手続きもあり、やることが多くて慌ててしまうかと思われます。大切な人亡き後の心を癒す時間を大切にするためにも、事前にしっかりとお葬式から納骨までの流れを把握しておきましょう。