納骨堂の管理費は誰が払う?滞納した場合は?
亡くなった方の遺骨を納めるための納骨堂。近年ではお墓を管理してくれる後継ぎがいないことから、一般墓ではなく納骨堂を選ぶ方も増えています。納骨堂を検討している方は、まず費用面が気になりますよね。この記事では、納骨堂の管理費の支払いについて、また管理費を滞納した場合はどのような対応をされるのか、解説します。
納骨堂の管理費とは?
納骨堂の管理費は、年間で1万円~2万円程度かかるのが一般的であるといわれています。支払われた管理費は、主に施設の設備などを維持するためなどに使用されます。たとえば、
・空調システム
・清掃・警備・管理のための人件費
・機械のメンテナンス
以上のような費用のために利用されます。納骨堂の管理費は、墓地や霊園よりも高めに設定されています。しかし、管理費が割高な分、清掃などの負担がありません。何も持たずに、手ぶらでのお参りも可能です。納骨堂の管理費は契約時から発生します。契約後は、1年分をまとめて支払うのが一般的です。
納骨堂によっては、数年分の管理費をまとめて支払うことで、割引してくれるケースもあります。納骨堂と一口にいっても、タイプやプランはさまざまです。管理費もそれぞれ異なるので、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
管理費の支払いや滞納について
納骨堂の管理費を支払わなかった場合や、滞納した場合はどのような対応がとられるのでしょうか。
■支払い期限を過ぎても支払わなかった場合
支払いの期限を過ぎても支払いの確認がとれなかった場合は、電話やはがきなどで契約者や保証人にお知らせがあります。納骨堂の契約時に、管理費を一括で支払わない限りは、基本的に保証人が必要です。契約者が管理費を支払わない時には、保証人に支払いをしてもらうことになります。住所や電話番号が変わっても変更の連絡をしていなかったら、督促の連絡がとれないこともあるので、必ず変更しておきましょう。
契約時に管理費をまとめて支払っておけば問題はありませんが、毎年管理費を支払う契約をしていれば、契約者が亡くなった後に誰が支払いをするのか揉めるというようなトラブルの原因になることもあります。契約者が管理費を支払えなくなった場合はどうするのか、しっかりと保証人や家族と話し合っておくことが大切です。
■滞納し続けると「合祀」されてしまうこともある
管理費の督促がきても無視したり、滞納し続けたりすると「合祀」されるケースが多いようです。合祀とは、骨壺から遺骨を取り出して、他の方の遺骨と一緒に埋葬することをいいます。管理費を滞納しても、すぐに合祀されてしまうことはほとんどありません。
管理費が未払いの状態が3年~5年続いた時に、納骨堂側の判断で合祀が実行されます。合祀されてしまったら、遺骨をまた取り戻すことはできません。合祀を避けたい方は、きちんと支払いをしていくことが大切です。
■管理費をまとめて支払うことでトラブルを避ける
契約時に管理費をまとめて支払っておくと、管理費の支払いで起こりえるトラブルを避けることができます。たとえば、納骨堂の購入時に永代供養の契約をして、一括で管理費を支払う方法があります。永代供養とは、遺族に代わり寺院や納骨堂が故人を供養することです。身内がいない方や子どもに迷惑をかけたくない方で、永代供養を選択する方も増えています。納骨堂の永代供養は、33回忌が終わったら合祀されるのが一般的です。支払いが滞って保証人などに迷惑を掛けないように、前もって対応しておくとよいでしょう。
納骨堂の管理費が不要な場合がある
納骨堂を契約すると管理費がかかるのが一般的ですが、管理費がかからないケースもあります。管理費がかかる場合、管理費がかからない場合について解説します。
■管理費が必要な場合
納骨堂を契約する際に契約期間を決めていない場合は、納骨堂を利用している限り、ずっと管理費を支払う必要があります。永代供養であっても、期間を定めずに、管理費をまとめて支払っていない場合は、管理費を支払わなければなりません。
■管理費が不要な場合
契約時に納骨堂の契約期間を決めている場合は、管理費を支払う必要はありません。契約期間を定めて契約する際には、一括で支払うのがほとんどだからです。支払った金額の中には、管理費が含まれているので、その後は管理費が不要です。
「管理費が必要ない」というよりは、「管理費を前もって払っている」ということになります。「自分が亡くなった後に迷惑を掛けたくない」「子どもや親族に支払いをさせたくない」という方は、事前に契約期間を決められる納骨堂を探しておくとよいでしょう。
納骨堂を利用する際には、管理費が必要です。管理費を支払えなくなったり、滞納してしまったりすると、郵便や電話で、家族や保証人などに連絡があります。それでも支払わないままであれば、3年~5年後に合祀されてしまうこともあります。合祀されたくない場合は、永代供養などの管理費を前もって支払っておくプランを検討するのもよいでしょう。