費用が安いってホント?公営納骨堂を選ぶメリットとは
一昔前はだれかが亡くなって遺骨になるとお墓に埋葬するのが一般的でしたが、最近ではお墓の跡継ぎがいない場合や、維持管理していくことが難しいと考え、お墓に埋葬せずに納骨堂におさめることを選択する人も増えてきていますよね。今回は納骨堂の中でも公営納骨堂を中心に詳しく解説します。
公営納骨堂はリーズナブル
最近よく聞くようになってきた「納骨堂」という言葉ですが、簡単にいうとお墓の代わりに遺骨をおさめる場所のことです。建物内にそれぞれのスペースがあり、お墓と同じようにお参りができます。納骨堂にはさまざまな種類があり、各スペースにお墓が置いてあってそこに遺骨をおさめる形式のものや、戸棚の中に遺骨をおさめておいて、お参りのときだけ扉を開けて遺骨や位牌が見られるようになっているもの、小型の仏壇が並んでいるものまで多岐に渡ります。
最近ではカードをタッチパネルにかざしたり暗証番号を入力したりすると立体駐車場のように遺骨を運んできてくれる近代的な納骨堂も増えてきました。お墓はいらないけれど遺骨はしかるべき場所に納骨したいという人にとって、納骨堂はまさに助け舟。少子高齢化がこれからますます加速する日本で、納骨堂はお墓に代わる埋葬の形として今後も需要が高まっていくことでしょう。
納骨堂は民間や寺院が運営するものもありますが、市町村などの自治体が主体となって運営している公営納骨堂と違い、いずれも費用が高い傾向にあります。民間や寺院が運営している営利目的の納骨堂と比べると、公営のほうがはるかに安い費用で済みます。公営納骨堂の費用は各自治体によるものの、民間や寺院が運営する納骨堂の半分かそれ以下の場合がほとんどです。
経営が安定しているので閉設の心配が少ない
ほかにも、公営なら経営が比較的安定しているというメリットもあります。運営する自治体にもよりますが、おおむねどこの自治体でも施設や設備の点検は小まめに行っているうえ、公営ということもあって管理体制もしっかりと整っています。
公営と違い営利団体の民間や寺院が運営している納骨堂だと、経営が悪化すれば納骨堂の管理体制が揺るぐこともあるうえ、滅多にないことではありますが最悪の場合経営破たんし納骨堂が閉設されてしまう可能性もゼロではありません。
とある寺院が運営を始めた納骨堂がうまく契約者を集められず、抱えた負債が増え続け、最終的には破産することになったという事例も過去にあります。納骨堂に遺骨をおさめる人は、多くの場合長期間の利用を想定しているはずです。それなのに、大切な人の遺骨をおさめた納骨堂が途中で使えなくなってしまっては困りますよね。
納骨堂を最初からまた探し直すのは大変なことですが、公営納骨堂なら経営が安定していてそんな心配もほとんどないので、安心して遺骨を預かってもらうことができます。
注意点も確認!応募条件を確認しよう!
とはいえ、公営納骨堂は申込みをしたら誰でもいつでも納骨できるというわけではありません。公営納骨堂に申込みする場合の注意点についても知っておくことが大切です。
応募に条件がもうけられている
民間や寺院が運営する納骨堂はお金さえきちんと払えば申し込むことができますが、公営納骨堂は応募する際にいくつかの条件があり、その条件を満たしていないと申し込むことができません。多くの自治体では、その自治体に一定期間以上住んでいることや、納骨堂の利用申込み者が、納骨する遺骨の葬儀の主宰者であることなどを公営納骨堂の応募条件として掲げています。この条件をクリアしていなければ、公営納骨堂には申し込むことさえできないということになります。
人気があり、抽選になることも
公営納骨堂は多くの自治体で人気が高く、抽選になることも珍しくありません。応募条件を満たしていても、抽選に外れれば納骨できません。人気の公営納骨堂では、ときに20~30倍の倍率になることも。また、空いていれば基本的にいつでも申込みができる民間や寺院が運営する納骨堂と違って、公営納骨堂の場合は申込期間がもうけられていることが多く、その期間内に申込みする必要があります。
デザインなどはほとんど選ぶことができない
公営納骨堂は費用が安い分、デザインなどを選ぶことはほとんどできません。民間や寺院が運営する納骨堂ならバラエティ豊かな納骨形式や大きさを選ぶことも可能ですが、公営納骨堂はあらかじめすべて決められている場合が多く、自由度は低いので、自分の個性やこだわりを出したいという人には不向きといえるでしょう。
まとめ
公営納骨堂は費用が安く済むことと経営が安定していることがメリットで、申し込みたいという人もたくさんいます。しかし応募には条件や申込期間があり、期間内に、しかも条件を満たした人しか申込みできないという一面もあります。自治体のホームページなどで情報を収集し、申込期間や条件を早めに確認しておくようにしましょう。また、納骨堂は自分だけではなくほかの親族もお参りすることもあります。費用や経営の面だけではなく、立地や納骨堂のタイプなども長い目で見て考えておくことが大切です。