自動搬送式納骨堂の特徴!注意したい点も紹介
お墓の中でも最先端をいく「自動搬送式(マンション型)納骨堂」をご存知でしょうか。都心部に広まりつつある、入館も参拝も機械制御され、遺骨はバックヤードから自動搬送されてくるという画期的な納骨堂です。今回の記事では、自動搬送式納骨堂のメリット・デメリット、注意点などを紹介します。しっかりチェックしましょう。
自動搬送式納骨堂を利用するメリット
まず、自動搬送式納骨堂のメリットを見ていきましょう。
1つ目は「跡取りがいなくても利用できる」という点です。このタイプの納骨堂の多くは、家族やお参りに来る人がいなくなった時に、家族に代わって施設の管理人が供養を続けてくれる「永代供養」の費用が初期費用に含まれています。そのため、お墓の後継者がいない方や、今後いなくなる可能性がある方でも安心して利用でき、「墓じまい」をする必要もありません。
2つ目は「手ぶらでお参りができる」という点です。一般的なお墓なら、お供物のお花や線香、お墓を掃除するための水をくむ手桶や柄杓を自分たちで用意して持っていかなければいけません。しかし、自動搬送式納骨堂の多くはお花や線香を施設側で用意してくれて、なおかつお墓の掃除も費用に含まれているので自分たちでする必要がありません。歳をとって重いものを持つことや、夏の暑い日や冬の寒い日にお墓参りに行くことが困難になってきても、自動搬送式納骨堂であれば安心です。
3つ目は「アクセスが良好である」という点です。自動搬送式納骨堂は、一般的なお墓では考えられないような好立地にあります。たとえば東京の場合なら、新宿や赤坂などに霊園がありますが、このような一等地にお墓を建てるとなると永代使用料はかなり高額になり、そもそも土地が不足しているという面で難しいでしょう。
となると、普通は車でしかいけないような郊外だったり、階段を登ったりしなければいけないような場所にお墓を建てざるを得ないことが多くなります。しかし、自動搬送式納骨堂なら、高齢になっても電車などの公共交通機関で行けるような場所にお参りできます。
自動搬送式納骨堂のデメリット
次に、自動搬送式納骨堂のデメリットを見ていきましょう。
1つ目は「納骨できる遺骨の数に限りがあり、安置期間を過ぎると合祀になる」という点です。一般的なお墓であれば、骨壷をいくつ入れても基本的に問題ありませんが、自動搬送式納骨堂は骨壺を入れられる数が決まっています。
また、自動搬送式は安置期間が設けられており、その期間内で遺骨は骨壷にしまわれ供養されますが、期間を過ぎると個別に管理している遺骨や骨壷が合祀墓へ移され、他の骨と一緒に埋葬されてしまいます。先祖や家族だけの個別のお墓がよいと考える方にとってはデメリットに感じられますが、墓じまいをする必要がないということにもつながるため、メリットと捉える方もいます。
2つ目は「機械の不具合や停電に弱い」という点です。コンピューターが故障や不具合をきたした場合はお参りができません。また、建物の老朽化による改修工事などもこの先行われるでしょう。こういった事態が起こった時どのような対応になるのか、事前に施設に確認しておきましょう。
3つ目は「お参りのシーズンに混み合う」という点です。自動搬送式納骨堂は、お墓参りのシーズンに混み合うことが多いです。参拝できる場所が限られているため順番待ちになり、参拝スペースに入るまでに時間がかかってしまう場合があります。そのため、お参りの時期をずらすなどの工夫が必要になります。
また、一般的なお墓であれば、誰でもいつでも霊園に足を運べばお参りできますが、自動搬送式納骨堂はICカードを持っている人でないとお参りできません。家族が多かったり、遠い親戚もお墓参りしたりする家庭の場合はこの点に注意が必要です。
自動搬送式納骨堂の費用相場は?
自動搬送式納骨堂の費用相場は、初期費用が50万円〜150万円ほどかかり、また年間1万円ほどの管理費が必要となります。初期費用の相場は収骨できる人数や参拝スペースのグレードによって変動し、中には200万円を超える場合もあります。
一般的に納骨堂は墓石を必要としないため安価であるといわれていますが、自動搬送式の場合は最新技術が駆使されていたり、アクセス良好な場所に建っていたりすることから、場合によっては一般墓と同程度の価格になることもあります。
初期費用に含まれているものとしては「永代供養」「銘板・文字の彫刻」「遺骨収蔵厨子」「ICカード」「法名の授与」の5つが一般的です。管理費は、最新のコンピューター機器の管理や、休憩施設等を清潔かつ安全に保つためにも必要となる維持費だと考えられます。
自動搬送式納骨堂のイメージが少しつかめたのではないでしょうか。魅力的なメリットがある反面、システムが独特であるがゆえに注意しなければならない点があることもわかりました。各家庭によって何を重視するかはさまざまなので、費用面もあわせてよく考えてから選ぶようにしましょう。