位牌型納骨堂とは?種類とメリット・デメリットを紹介
近年注目が集まってきている納骨堂にはさまざまなタイプがあります。そして、その中に「位牌型」というものがあるのはご存じでしょうか。位牌型はほかのタイプに比べて利用料が安価であり、比較的維持費が抑えられるというメリットがあります。それ以外にもメリット・デメリットがあるので、位牌型納骨堂の種類と合わせて紹介します。
位牌型納骨堂には2種類ある
位牌型納骨堂は位牌と遺骨をセットで置くタイプと、位牌と遺骨を別々に置くタイプの2つです。位牌のみがずらりと並んでいる場合もあれば、遺骨とセットで並べてある場合もあります。どちらにするか迷った時にはお参りする際に遺骨があったほうがいいのか、位牌のみへのお参りだけでよいのかも考えて選択しましょう。
■位牌と遺骨をセットで置くタイプ
位牌を飾る棚の下に遺骨を置くタイプです。位牌のみを置くタイプと比較すると個別のスペースが必要となるので、少し割高になります。位牌だけでなく遺骨にも同時にお参りできるため、遺骨が眠る場所でお参りをしたいと希望する人におすすめです。
■位牌と遺骨を別々に置くタイプ
位牌とは別に遺骨が収蔵されているタイプです。お参り時にはずらりと並べられた位牌に向けて、もしくは中央に置かれている仏像に手を合わせます。遺骨の有無にこだわらず、仏壇のように位牌や仏像に向けて手を合わせるタイプでよい人や、利用料を抑えたい人におすすめです。
位牌型納骨堂のメリット・デメリット
位牌型納骨堂の種類や特徴がわかってきたと思うので、メリットとデメリットを解説します。どちらもよく理解しておき、納骨堂選びの参考にしてみてください。
■利用料が安価
位牌型納骨堂の相場は30万円から80万円といわれています。お墓を建てる場合の相場は180万円から300万円前後といわれているため、お墓を建てることと比べればかなり安価に抑えられると考えられるでしょう。「マンション型」「墓石型」などのほかの納骨堂のタイプと比べても安価で抑えられます。
しかし、位牌型であっても個別スペースが広ければロッカー型よりも高くなるケースがあるので、選ぶ際はしっかりと比較することが必要です。
■仏壇としての機能もある
仏壇には位牌や宗派の仏像、お供え物、おりんなどの仏具があります。仏壇の有無は家庭の事情によって異なりますが、もしも「仏壇を置く場所がない」などの理由であれば仏壇の機能も兼ね備えた位牌型納骨堂がおすすめです。もちろん、このほかの納骨堂でも位牌がおける場合は仏壇としての機能があるといえます。
しかし、お参りのたびに遺骨を所定の位置まで自動で搬送する「自動搬送型」「マンション型」や「墓石型」の場合は位牌を預けることができないため、仏壇としてではなくお墓としての機能のみだといえるでしょう。
位牌型納骨堂では、それぞれの宗派に合わせた仏具や仏像が個別に用意できるわけではありませんが、個別スペースが狭い納骨堂には線香立てが設置されているのが一般的のため、お参りができる環境は整えてあります。仏壇を家の中に置くことが難しい場合は位牌型の納骨堂を選択するのも1つの手です。
■利用できるスペースが狭い
位牌型納骨堂では、位牌を置くスペースと遺骨を置くスペースが利用できます。しかし、位牌と遺骨を置くだけのスペースのみの利用となるので、ロッカー型のように1区画まるまる利用できるわけではありません。
「利用できるスペースが狭い」という理由で位牌型の納骨堂を選択しない人もいるでしょう。とくに「故人の写真を小さくてもいいから一緒に収めたい」「ほかの人の位牌や遺骨がすぐ隣にあって窮屈に感じる」という方には適していません。
■個別にお参りできない
周りの位牌との間に仕切りがないため「個別にお参りしている」とは感じないでしょう。心の中でゆっくりと故人と語り合いたくても、ほかに参拝者がいれば早々にお参りを切り上げてしまう人も多いはずです。手軽に参拝したい人にとってはそれほどストレスにはならないかもしれませんが、ゆっくりと参拝したい人やほかの位牌や遺骨とは別にお参りしたい人は好ましく思わないかもしれません。
■新たに位牌を作る必要がある
位牌型納骨堂では所定の位置に位牌をずらりと並べるので、見た目を統一させるために位牌を作り直すケースが一般的です。作り直さなかった場合「隣の位牌が大きくてスペースをとっているから、こちらも同じスペースを取るべきだ」というクレームが発生する可能性もないとはいい切れないので、利用できるスペースが狭いからこそきちんと平等に分けることも必要なのかもしれません。しかし、新たに位牌を作り直すのに抵抗がある人もいるでしょう。その場合はロッカー型をおすすめします。
まとめ
位牌型納骨堂には利用料を安価に抑えられる一方、利用スペースが狭いなどのデメリットがあることがわかりました。どの納骨堂にも必ずメリット・デメリットがあるので、失敗しないためにはどのような供養をしたいのか、あらかじめ決めておくとよいでしょう。