納骨堂の費用は誰が支払うの?永代使用料と管理費の違いとは
都心からもアクセスしやすいことから、気軽にお参りできる納骨堂を選択するという方が近年増加しています。しかし、「費用面が複雑でよく分からない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。そこで、本記事では納骨堂に支払うべき費用の概要や、支払う人がいなくなった際の注意点についてまとめてご紹介していきます。
納骨堂の費用とは
インターネットなどで調べた際に、納骨堂の費用の差に驚かれた方も多いのではないでしょうか。1人の遺骨を納める場合、10~15万円程度の費用で済む納骨堂もあれば、中には100万円以上するものもあります。また、仮に納骨堂の使用料が安かったとしても、諸々の費用を含めると最初のイメージよりもかなりの費用がかかってしまうケースも少なくありません。
ここまで価格に大きな幅があるのには、費用の内訳に理由が存在します。納骨堂を利用する際には「永大使用料」と「管理費」と呼ばれる費用を支払う必要があり、何体での契約かによって価格がそれぞれ異なっていきます。
そのため、仮に納骨堂を利用できる権利である永大使用料が安かったとしても、年間の管理費が高ければその分、年を越すごとに維持費がかさんでしまうでしょう。さらに、埋葬や骨壺を追加する際にも別途費用がかかってしまいます。このような1つ1つの費用の積み重ねによって、価格に大きな差が生まれると考えられています。
永代使用料を支払うのは契約者
永大使用料については、誰がその費用を支払うかは各家庭によって多少異なるものの、契約者本人が全額支払うのが一般的とされています。契約方法によっては、管理費を一括で納付することも可能であり、永大使用料と今後支払っていくこととなる管理費をまとめて支払う方も多いようです。
この方法によって契約者が費用を全額支払った場合、後から管理費を支払う必要がなくなるため、将来的に支払っていくことなる家族の費用の負担を抑えることができます。
また、生前贈与という方法を選択し、継承者の子どもを契約者として、親が全額支払うというケースもあります。ただし、家族名義で利用するという場合、追加で納骨や埋葬をする際に別途費用がかかるため、誰が費用を払うのかをそれまでに決めておかなければなりません。
他にも、親のために子どもが納骨堂を事前に用意し、費用を支払うといったケースも多いです。このような場合、長男が費用を支払うこともあれば、子どもたちが分担して支払うこともあるため、誰がいくら費用を負担するのかを相談しておく必要があります。
管理費を支払うのは契約者または残された家族
納骨堂を利用する際に永大使用料のみを先に支払ったという際には、毎年の管理費を支払う必要があります。このような場合、初期費用を安く抑えることが可能ですが、年ごとに約5,000円~2万円程度の管理費を支払わなければなりません。契約期間が定まっていない場合に必要となるため、契約者本人、あるいは残された家族(相続人)が支払いを行うのが一般的です。
納骨堂の費用を支払う人がいなくなってしまったら?
納骨堂を利用している際に、費用を支払っていくはずの方が突然亡くなってしまったり、支払いが滞納したりした場合には、家族、あるいは近しい親族が支払いを行っていかなければなりません。一部の納骨堂では、永大使用料を分割で支払うこともできますが、このようなケースの場合、契約の際に決めた義務者が支払いを行うことになります。
しかし、義務者が亡くなってしまった場合や、費用を支払えなくなった場合には、あらかじめ決めておいた保証人が代わりに支払いをしなければなりません。このことから、分割払い可能な納骨堂を利用する際には、原則として保証人を立てる必要があります。
■支払いをせずに滞納し続けた場合には?
支払いの滞納が続いた場合、納骨堂から家族や近しい親族に催促状が送付されます。継続して使用したいという際には、誰が支払いを行っていくのか検討して決めていきましょう。催促状の送付後も滞納が続く場合には、納骨堂を利用できなくなるため、他の方の遺骨と合祀されてしまいます。合祀後は、個別に遺骨を取り出すことができなくなるため注意してください。
ただし、一度滞納したからといってすぐに合祀されるわけではないため、一時的に支払いが難しくなる際には、利用している施設に直接相談してみましょう。どの程度の期間滞納したことで合祀されてしまうのかについては、事前に納骨堂へ確認してみてください。
この記事では、納骨堂を利用する際の費用の概要や、支払いを滞納してしまった場合の事例についてご紹介しました。納骨堂を利用する際には、基本的に全額契約者が支払うものですが、継続して支払いが必要という場合には、誰が支払いを行うのかを家族でしっかりと話し合うことが大切です。万一、契約者が支払えなかったことも考慮し、トラブルを回避するためにも誰が支払いを行うのかを事前に決めておきましょう。