納骨堂に納める骨壺のサイズは?種類や価格は?
骨壺は大切な故人のお骨を納めるアイテムです。一言で骨壺といっても、サイズや種類はさまざまなものがあります。基本的にはお墓や納骨堂などに納めることが多く、製品によって価格帯も幅広いため、どのように選べば分からない人も少なくないでしょう。ここでは、骨壺のサイズを決める方法や骨壺の価格相場について詳しく解説します。
納骨堂の形式も確認すべき?骨壺のサイズは何で決まるのか
納骨に適した骨壺のサイズは、さまざまな要因によって左右されるものです。ここでは、骨壺のサイズを選ぶ際に考えるべきポイントについて解説します。
地域の文化
骨壺の最適なサイズは、お骨と遺灰をすべて納める「総拾骨」か、一部のお骨のみを納める「部分拾骨」かによって変わります。拾骨の方法は地域の供養の仕方によって異なり、総拾骨の多い地域に比べて、部分拾骨を主とする地域は小さめの骨壺を使うのが一般的です。
故人の体格
故人の体格によって、収めるべきお骨の量も必要な骨壺の大きさも変わります。子ども用の場合は一般的なサイズより小さめのものを選ぶケースがほとんどです。また、大柄な人は一般的な骨壺ではお骨が入りきらないこともあるため、一般的なサイズより大きめの骨壺を用意することが多いでしょう。
納骨堂の形式
納骨堂の形式やスペースも、骨壺のサイズを決める条件の1つです。納骨堂内のスペースに収まるサイズの骨壺を選ぶ必要があります。納骨堂の形式には、ロッカー式・仏壇型・自動搬送式などがあり、一般的には、ロッカー式はもっともスペースが狭くなり、自動搬送式がもっとも広くなる傾向にあります。また、入口から骨壺が入れられないという事態を防ぐために、納骨スペースだけでなく入口の形状や大きさにも注意しましょう。
骨壺のサイズの種類は全部で9種類
骨壺のサイズは、最小は2寸から最大尺寸まで幅広く展開されており、全部で9種類あります。骨壺のサイズの一覧は次の通りです。
・2寸直径約6.5cm・高さ約7.5cm
・2.3寸直径約7cm・高さ約8.5cm
・3寸直径約9.5cm・高さ約11cm
・4寸直径約12.5cm・高さ約14cm
・5寸直径約15.5cm・高さ約17.5cm
・6寸直径約18cm・高さ約20.5cm
・7寸直径約22cm・高さ約25.5cm
・8寸直径約25.5cm・高さ約28.5cm
・尺寸直径約31.5cm・高さ約34cm
寸では分かりにくい人も多いかもしれませんが、cmに換算するとイメージがわきやすいでしょう。東日本など総拾骨を行う地域では、納骨堂に納める骨壺のサイズとしては7寸が一般的だといわれています。生前の身長が180cm以上だった人は7寸では入りきらないことが多く、8寸以上の骨壺が必要です。
一方、西日本など部分拾骨の多いでは6寸以下の骨壺が主流です。中でも3~5寸の骨壺を使うケースが多く見られます。2~4寸程度までのミニサイズの骨壺は、分骨や手元供養を行う際に使われることが多く、8寸~尺寸の大きなサイズのものは家族など複数人を納骨する際に使われています。
骨壺の相場は?サイズやデザイン、材質で価格が異なる
骨壺の価格は、サイズにくわえてデザインや材質によっても左右されます。ここでは骨壺の相場の考え方について、3つの観点から説明します。
サイズから見た相場
骨壺の相場は、オーソドックスなデザインであれば、6寸以下のミニサイズの骨壺が1,000円程度、7寸サイズの骨壺であれば1万円前後です。ただし、納めるお骨の量や納骨スペースの広さや入口の寸法から自然と骨壺のサイズが決まるため、価格を抑えるためにサイズを調整することはあまりないと考えてよいでしょう。
骨壺のデザイン
骨壺のデザインは供養に使うアイテムのため、とくに白無地が多いものの、シンプルな無地から華やかな色柄まで、故人のイメージや生前の好みに合わせたデザインを選べます。同じサイズの骨壺でもデザイン性が高いものほど価格も上がるのが一般的です。
同じ陶磁器であっても、九谷焼・備前焼などはデザインも豊富で人気があります。とくに有名な窯元で作られたものなどは価格が跳ねあがり、ミニサイズであっても1万円以上、7寸サイズでは10万円以上、製品によっては数百万円にまでのぼる場合もあります。
材質
骨壺には白磁が好んで使われ、葬儀場や火葬場などのセットプランでもベーシックな骨壺としては陶磁器が用意されることがほとんどです。近年では、手元供養用としてガラス製の壺や樹木葬向けのバイオマス材質やクレイ(粘土)の骨壺など、多様化した供養の方法にあわせてさまざまな材質の骨壺が作られるようになりました。納骨堂用の骨壺の材質としては、陶磁器以外では耐久性の高い石材も人気です。とくに大理石を選ぶと価格が上がり、相場は2~3万円程度になります。
まとめ
骨壺のサイズは拾骨の方法や納骨堂の広さでほとんど決まります。そのため、費用を抑えようと小さすぎる骨壺を選ぶとお骨が収まりきらず、反対に大きすぎると骨壺そのものが納骨スペースに入らないといった問題が起こる恐れがあります。なるべく費用を抑えたい場合は、サイズではなくデザインや材質で費用を調節しましょう。費用を抑えるのであれば、無地でシンプルなデザインの白磁製にするのがおすすめです。
また、故人の趣味や好みを生かしたい場合、スタンダードな骨壺より費用はかかるものの、材質やデザインにこだわった骨壺を選ぶこともできます。デザイナーや有名窯元の製品など、こだわりを追求した骨壺ほど価格は高くなりますが、色や柄を選びたい場合は2~3万円で実現できる製品もあります。値段であきらめず、検討してみるとよいでしょう。